電源について
BTOや自作パソコンで使われる多くの電源は規格化されており、主にATX電源が使われます(他にも小型PCケースで使われるSFX電源などもあります)。
ミドルタワーやミニタワーのPCケースの多くはATX電源対応となっているので、電源交換の時はATX電源を購入すれば、PCケースへ取付出来ます。
取付位置と冷却用吸排気
通常は電源内にも冷却ファンが付いており、PCケース内から吸気してPCケース外へと排気します。実際の電源の取付向きは、普通は吸気面が下向きになります。
取付位置はPCケース後ろ側の上側が多いですが、PCケースによっては下側に取り付ける場合もあります。
電源の奥行について
奥行の短いPCケースの場合は、電源(ケーブル含めて)と光学ドライブが干渉する場合があるので、奥行が比較的短い電源をおすすめします。
電源から出てくるケーブルの状態として、直付けタイプ(取外し不可)とプラグインタイプ(取外し可)があり、プラグインタイプは使わないケーブルを取り外す事が出来るので、PCケース内がスッキリしますが、プラグイン接続部でケーブルを曲げ難いモノもあり、光学ドライブと干渉する場合もあるので注意しましょう。
電源の変換効率
電源の変換効率を表すモノとして以下の規格があります。
- 80PLUS TITANIUM
- 80PLUS PLATINUM
- 80PLUS GOLD
- 80PLUS SILVER
- 80PLUS BRONZE
- 80PLUS STANDARD
- 無印(80PLUS規格が明記されていない電源)
上にいくほど変換効率が良くなり、これらの認証を受けた製品は高品質であると言えます。その分、価格も高くなりますが、最近では低価格の電源にも80PLUS認証の製品が比較的多くなってきたので、購入する時の判断基準としておすすめです。
(変換効率が良い=損失が少ない)→(節電+低発熱)
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電源の変換効率 |
80PLUS認証 |
電源負荷
20%時 |
電源負荷
50%時 |
電源負荷
100%時 |
TITANIUM |
92% |
94% |
90% |
PLATINUM |
90% |
92% |
89% |
GOLD |
87% |
90% |
87% |
SILVER |
85% |
88% |
85% |
BRONZE |
82% |
85% |
82% |
STANDARD |
80% |
80% |
80% |
※電源負荷50%付近の変換効率が一番良い
BTOパソコン(主に自作ショップ系)では80PLUS BRONZE ~ GOLD 認証の電源が多く採用されています(大手PCメーカー系のBTOパソコンでは、パーツ仕様が公開されていない場合も多い)。
自作ショップ系のハイスペックなBTOパソコンでは、GOLDを超えるPLATINUMやTITANIUM電源を標準搭載、またはBTOカスタマイズで選択可能な製品も増えており、長期使用におけるシステム動作安定と省電力を考慮すると、上位認証の電源を選べる自作ショップ系のBTOパソコンがおすすめです。
+12V系統のシングルレーンとマルチレーン
電源選びで重要なのが、CPUやGPUなど消費電力の多いPCパーツが利用する+12V系統の出力です。
PC用電源では、+12V系統が1系統のシングルレーン方式と、+12V系統が複数系統(2~4系統)のマルチレーン方式があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。
マルチレーンは欧州の安全基準に配慮し、1系統に流す電流を抑えた方式ですが、+12Vの1系統あたりの上限値がシングルレーンと比較すると少ない為、接続するPCパーツの組み合わせや使用環境によっては、いづれかの+12V系統で電力不足が生じる事が懸念されます。
その為、自作パソコン初心者の電源選びとしては、+12V系統が扱いやすいシングルレーンで、尚且つ+12V系統の出力が大きな電源がおすすめです。
【 +12V シングルレーン(1レーン)の例】
AC 入力 |
AC100V |
DC 出力 |
+3.3V |
+5V |
+12V |
-12V |
+5Vsb |
最大電流 |
20A |
20A |
45A |
0.3A |
2.5A |
最大電力 |
100W |
540W |
3.6W |
12.5W |
最大総合電力 |
550W |
【 +12V マルチレーン(2レーン)の例】
AC 入力 |
AC100V |
DC 出力 |
+3.3V |
+5V |
+12V1 |
+12V2 |
-12V |
+5Vsb |
最大電流 |
20A |
20A |
30A |
30A |
0.5A |
2.5A |
最大電力 |
100W |
540W (45A) |
6W |
12.5W |
最大総合電力 |
550W |
関連ページ:PC電源容量計算
電源コネクターの種類
【ATXメイン電源 (24ピン)(20ピン+4ピン)】
電源コネクター |
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接続先 |
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⇒ |
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マザーボードのメイン給電用で現在は24ピンが主流ですが、古い20ピンタイプにも対応出来る様に20ピン+4ピンに分離出来るコネクターもあります。 |
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【CPU用電源 ATX12V(4ピン) EPS12V(8ピン)】
CPUへの+12V給電用で4ピンと8ピンがあります。
コネクターは両方に対応する4ピン+4ピンに分離出来るタイプもあります。 |
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【Serial ATA用電源】
電源コネクター |
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接続先 |
 |
⇒ |
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Serial ATAのドライブ(HDD/SSD/光学ドライブ)の給電用です。 |
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【ペリフェラル電源(汎用4ピン)】
電源コネクター |
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接続先 |
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⇒ |
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古いIDE接続のHDD/光学ドライブや、ケースファン/ファンコントローラ等、汎用的な給電用に使われます。 |
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【FDD用電源】
電源コネクター |
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接続先 |
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⇒ |
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主にフロッピーディスクドライブの給電用として使われます。 |
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【PCI Express用電源 (6ピン)(8ピン)】
電源コネクター |
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接続先 |
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⇒ |
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ミドルクラスやハイクラスのグラフィックスボードの給電用として使われます。
6ピン+2ピンに分離出来るタイプもあります。 |
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