内蔵ハードディスクドライブ(HDD)増設のポイント
パソコンに内蔵HDDを増設するには様々な方法があり、何をどの様に増設(設置)して、どの様なドライブ構成で運用するかをまず検討する必要があります。
デスクトップPCへの増設用としては3.5インチHDDが一般的で、他に2.5インチHDDやSSD等もありますが、安価で大容量データ保存用ドライブという用途であれば3.5インチHDDがおすすめです。
後から内蔵HDDの増設を予定しているなら、予めBTOパソコンの選び方にも配慮する必要があり、少しの増設であればミニタワー以上、数個の増設であればミドルタワー以上のBTOパソコンがおすすめです。
スリムタワーやコンパクト・液晶一体型等では、内部が狭くシャドウベイの数やエアフロー(冷却)の面で劣る為、内蔵HDD増設用としてはあまりおすすめ出来ません。
コストパフォーマンスの良いバルクの3.5インチHDDがおすすめ
多くの動画データやTV録画データ等の保存用には大容量HDDが適していますが、特にコストパフォーマンスの面で有利なバルク品の3.5インチHDDがおすすめです。
バルク品のHDDは自作パソコンでよく使われるタイプで、簡易梱包(エアキャップ、プラケース等)の状態で販売されているHDDです。初期不良の場合は購入したショップで対応してくれますが、基本的にメーカー保証はありません。
これとは逆に綺麗な化粧箱で梱包され、付属品やメーカー保証書等が付いているのがリテール品(パッケージ品ともいう)です。
バルク品は製品自体に不具合等の問題がある訳ではなく、検査や流通過程等の違いでリテール品と区別されるもので、リテール品と比較するとコストパフォーマンスが優れます。
省電力と低発熱で有利な低速回転HDDがおすすめ
大容量データ保存用ドライブとしては、低速回転(5400rpm)や省電力・エコタイプのHDDがおすすめです。
これらのHDDは高速回転タイプ(7200rpm)と比較してコストパフォーマンスが良く、省電力・低発熱・低騒音というメリットもあり、特にストレージ設置場所の冷却能力の低いスリムタワーやコンパクトなパソコンへの増設用としてもおすすめです。
低速回転HDDは高速回転タイプと比較するとデータアクセス(読み書き)が遅いですが、数年前のHDDと比較するとプラッタ容量(密度)が着実に増加しており、低速回転とはいえアクセス性能が大幅に向上しています。もちろん性能重視であれば7200rpmや10000rpm等の高速回転タイプの選択もアリですが、コストパフォーマンス・省電力・低発熱に優れ、性能も着実に向上している低速回転(5400rpm)や省電力・エコタイプのHDDも充分におすすめ出来るHDDです。
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増設するなら可能な限り1個で大容量を
増設するHDDの容量は自由に選ぶ事が出来ますが、データというのはどんどん増えていくモノで、いつかは増設したHDDの空容量不足により、更にHDDを追加増設する事になる場合もあります。
小容量タイプのHDDと比較すると大容量タイプの方が単位容量当たりの価格が安い製品が多く、コストパフォーマンスにも優れる為、BTOパソコンに増設する場合は、1個当たりの容量が可能な限り大きなHDDがおすすめです。
ミドルタワー以上のBTOパソコンでは数個のシャドウベイがある為、物理的にはある程度の数のHDD増設が可能ですが、少なくて済むならそれに越したことはありません。
【たくさんの小容量HDDを増設する際のデメリットや注意点】
- 消費電力増加
- 騒音増加
- 発熱増加
- 振動増加
- ケース内のエアフローが悪くなる
- 台数分の設置スペースが必要
- 台数分の電源コネクターが必要
- 台数分のSATAポートとケーブルが必要
- データ保存場所が分散されるので管理・作業性が悪くなる
- コストパフォーマンスが悪い
HDD取付け場所のポイント
BTOパソコンに内蔵するHDDの取付場所としては、基本的には3.5インチシャドウベイで、場合によっては5インチオープンベイや3.5インチオープンベイに取り付ける場合もあります。
HDDの取付けで注意したいのがエアフロー(冷却)の確保です。HDDは熱に弱いPCパーツの代表格ともいえ、高温状態での長時間稼働は寿命の低下や障害の原因となる可能性もあります。
その為、PCケースのフロントファンからシャドウベイへの直接送風可能な構造が望ましく、フロントファンが付属、もしくは取付可能なBTOパソコンがおすすめです。
HDD数個の取付の場合は、エアフローを良くする為に1段飛ばしで隙間を充分に空けて取付けるのが良く、一番下の段でPCケース底面ギリギリのシャドウスペースは極力使用しないのがおすすめです。
PCケース底面は埃が堆積しやすくエアフローも悪い為、HDDの基板面(基板が剥き出しの面)にとっては避けたいポジションです。また、底面ギリギリの位置では配線も行い難くなります。
シャドウベイの空が無いけど、どうしてもHDDを増設したい場合は、5インチオープンベイ(HDD変換マウンターやリムーバブルケース等を使用)や3.5インチオープンベイへ取付ける事も出来ますが、いづれもエアフローが悪い場所の為、HDDの選定には注意が必要で、発熱の多い高速回転タイプではなく、発熱の低い省電力やエコ仕様の低速回転タイプがおすすめです。
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